# 自然油性塗料とは
# 塗料のしくみ
- 塗料が木材を保護するしくみ(油性塗料編)
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自然油性塗料は、主に木の導管に染み込ませて塗装する塗料のことを指します。
導管に染み込んだ自然油性塗料は、紫外線に晒されることで日焼けを起こし、分子の結合が劣化します。これによって繋ぎ止められていた顔料も、雨や風によって少しずつ流されてしまいます。
顔料は流されてしまいますが、導管の中にはオイル成分がしっかりと浸透しているため、撥水効果が長持ちします。
自然油性塗料は、顔料が薄くなっても、表面の汚れを落とすだけで、そのまま上から再塗装が可能です。
- 塗料が木材を保護するしくみ(樹脂系塗料編)
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合成樹脂を含んだ塗料のことを、樹脂系塗料といいます。
合成樹脂の分子はオイルの50倍以上あるので、導管に浸透せず、木の表面に塗膜を形成します。
合成樹脂の分子は大きいため、紫外線の影響でひび割れを起こします。
このひび割れから雨水が浸入して、導管の中に入ってしまいます。
導管の中に溜まった水が温められると水蒸気となり、膨張します。この際に合成樹脂の塗膜を持ち上げ、塗膜の割れ、めくれやはがれの原因となります。
また、導管の中に水を多く含んだ状態になるため、腐食を起こしやすくなります。
このような塗料の割れ・めくれ・はがれが起きた状態になると、すぐに再塗装が必要となりますが、塗装の前にサンディングを行い、一度塗膜を剥がす必要があります。また、木の表面も一緒に削られてしまいます。